射出成形品の反り・色スジ不良原因と改善策
射出成形品の反り・曲がり・ねじれ不良
射出成形品に反り、曲がり、ねじれが発生する主な要因は、樹脂成形時の流動方向収縮率が直角方向収縮率を上回り、異方性収縮差によって変形が生まれることです。加えて射出充填工程で製品内部に大きな内部応力が残留し、こちらも反りの原因となります。これらは全て応力配向による変形現象です。根本的には日本金型設計が製品の反り傾向を決定づけており、成形条件の調整だけで変形を抑えることは非常に困難で、根本解決策は金型設計の改善から着手する必要があります。

本現象の発生要因は主に下記の3分野に分類されます。
1. 金型設計に起因する要因
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a. 製品肉厚・重量を全域均一に設計する。
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b. 冷却回路設計によりキャビティ内温度を均一化。ゲートシステムは樹脂流動を対称に配置し、流動方向の収縮差による反りを回避する。成形難易度の高い箇所はランナー・メインランナーを適宜太くし、キャビティ内の密度・圧力・温度の偏りを極力解消する。
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c. 製品の肉厚差が生まれる移行部・コーナーを滑らかなR形状とし、金型の離型性を確保する。離型しろの拡大、金型表面の鏡面研磨強化、突き出しシステムのバランス調整などを実施する。
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d. 金型のガス抜き性能を十分確保する。
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e. 製品肉厚を増加、または反り抑制用リブを追加し、補強リブで製品の耐変形性を向上させる。
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f. 金型母材の剛性・強度が不足している。
射出成形品の反り・変形が発生する原因とは
2. 使用樹脂に起因する要因
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結晶性樹脂は非晶性樹脂と比較して反り変形が発生しやすい。また結晶性樹脂は冷却速度を速めると結晶化度が低下し収縮率が小さくなる特性を活用し、冷却条件の調整で反りを補正可能です。
3. 成形加工条件に起因する要因
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a. 射出圧力過大、保圧時間長過ぎ、樹脂温度过低、射出速度速過ぎは内部応力を増大させ、反り変形を引き起こす。
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b. 金型温度が高すぎ、冷却時間が短いと離型時製品が高温状態となり、突き出し変形が発生する。
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c. 最低充填量を維持した上でスクリュー回転数・背圧を低下させ樹脂密度を抑え、内部応力の発生を制限する。
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d. 反りが発生しやすい製品に対し、必要に応じ金型内冷却矯正、または離型後焼鈍処理を実施する。
射出成形品の筋模様・色スジ・シミ不良
本不良はマスターバッチで着色する樹脂製品に多く発生します。マスターバッチ着色は粉末顔料・染料ペーストと比較し、色安定性、純度、色移行防止性に優れるものの、希釈樹脂との混ざり合い(分散性)が劣るため、成形品に局所的な色差が生まれます。
主な改善対策
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a. フィードゾーン、特に後部温度を昇温し、メルトゾーン温度と同等または少し高く設定する。マスターバッチがメルトゾーンに入ると同時に溶融し、希釈樹脂と液相同士で均一混合されやすくする。
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b. スクリュー回転数を固定した状態で背圧を上昇させ、シリンダー内の樹脂温度とせん断作用を強化する。
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c. 金型、特にゲートシステムを改良する。例えばゲート幅が広すぎると樹脂通過時の乱流効果が弱く温度上昇が不十分となり、キャビティ内で混合ムラ・色スジが発生するため、ゲート幅を絞る設計に変更する。